小麦粉

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実験1:小麦粉の種類による生地の性状とグルテンの採取量

小麦粉の種類による生地の性状とグルテンの関係、および生地の調製条件の影響について知る。

実験方法

試料 薄力粉50gx2、強力粉50gx2、塩
器具 上皿天秤、メスシリンダー(50ml)、ボール、オーブン、定規(30cm)、一般調理器具。
条件 小麦粉の種類:強力粉, 薄力粉
混捏の種類:ざっとこねる。 よくこねる。 ねかす。

操作1

(1) 薄力粉50g,強力粉50gをボールに入れ、水約25ml(使用量を記録する)を加えてざっとこねてまとめ、生地の硬さと両手で引っ張ったときの伸びの状態を観察する。


 水を加えてこねる(3MB)


 引っ張ってみる(1.1MB)
(2) (1)の生地を50回こねて半分に分け、硬さを観察する。
一方はボールに入れ、硬く絞ったぬれ布巾をかけて30分間ねかす。

 ぬれ布巾をかけてねかせる(1.2MB)
(3) 残りの生地は弾力性、伸展性を観察するため4個に分け、5cmぐらいの棒状に成形する。

2個は定規を用いて10cmまで伸ばし、その後手を放して生地の縮んだ長さを記録し、A式により縮み率を弾力性として表す。
 
(4) 残りの2個の生地は切れるまで引っ張り、その長さを記録し、B式により伸展性を求める。
A,Bとも2個の平均値を求める。 
 弾力性:生地の縮んだ長さ(cm)÷10cm(生地を伸ばした長さ)x100・・・A
 伸展性:切れるまでの伸び(cm)÷5cm(生地の長さ)x100・・・B

 生地をのばして測る(4.5MB)

(2)でねかした生地についても(3)の操作を行う。

実験結果(例)

生地の縮んだ長さ
薄力粉 9cm 平均 9.3cm
9.5cm
強力粉 7.5cm 平均 7.8cm
8cm


切れるまでの伸び
薄力粉 21.5cm 平均 20cm
18.5cm
強力粉 20cm 平均 21cm
22.5cm



操作2

(1) 薄力粉および強力粉を50gずつボールに入れ、
水25mlを加えて10回こねたあと、ぬれ布巾をかけ、20分ぐらいねかす。

 水を加えてこねる(2.1MB)

(2) ボールに水を入れ、(1)の生地を水の中で静かにこねながらでんぷんを洗い出す。白い水が出なくなるまでときどき水を替えて行う。
手の中に残った粘弾性の強いグルテンのかたまりを湿麩という。
湿麩が水の中に散らないようにまとめて、できるだけ水分を切る。

 でんぷんを洗い出す<薄力粉1>(5.8MB)
 でんぷんを洗い出す<薄力粉2>(2.2MB)
 でんぷんを洗い出す<薄力粉3>(1.3MB)
 グルテン<薄力粉より>(1.7MB)
 でんぷんを洗い出す<強力粉>(3.1MB)
濾紙の上に丸めて載せ重量を測定しする。
この量を2倍にすると、小麦粉100g中の湿麩量(%)になる。
あわせて湿麩の状態を観察する。

 グルテンを計量する(848KB)

(3) (2)の湿麩を180℃のオーブンに入れ、ふくらみ具合を観察しながら乾燥させる(時間の許す範囲で恒量とする)と乾麩が得られる。
この重量を測定し、2倍にすると100g中の乾麩量(%)が得られる。

 オーブンで焼く(930KB)
 半分に切ってみる(1.9MB)

※一般に乾麩量は湿麩量の1/3である。
★撮影協力:徳島文理大学 人間生活学部 田村研究室